腰の痛みとは?

腰痛の実態は?

腰の痛みに悩んでいるあなた!

腰が痛いと動くのもしんどくなるし、動くことから逃げるように生活してしまいますよね。気づいたら1日中座りっぱなしなんて事も多くなります。

2020年に発表されたデータによると世界規模で腰痛に悩まされている人は6億1900万人に上ります。*1)

*1) Global low back pain prevalence and years lived with disability from 1990 to 2017: estimates from the Global Burden of Disease Study 2017
Aimin Wu1, Lyn March2,3, Xuanqi Zheng1, Jinfeng Huang1, Xiangyang Wang1, Jie Zhao4, Fiona M. Blyth5, Emma Smith2,6, Rachelle Buchbinder7, Damian Hoy2,3

そんな腰痛ですが、90%は原因がはっきりしていないとされています。

L S Lにこられる会員さんでも腰痛(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、分離症、滑り症)を解消したいという目的で来られている方たちもいます。

皆さん、それぞれ原因は違うけど、ストレッチやエクササイズを続けていく中でいつの間にか痛みが消えているという人が多いです。

腰の痛みを理解するには、まず腰の構造がカギになります。それでは簡単に腰の解剖に関して話をしていきましょう。

腰ってどうなっているの?

腰の痛みを理解する上で大事な部分は背骨と股関節に繋がり、身体の土台となる「骨盤」です。

骨盤とは上半身と下半身をつなぐ役割がある部位で、尾骨・寛骨・仙骨の3種類の骨で構成されています。

背骨や肋骨から骨盤へ、骨盤から大腿骨へと多くの「筋肉」が重なるように付着しているので、腰の痛みといっても一つの筋肉を限定するのも難しいです。

背骨は24個の骨から成り立っています(FIG.2)。腰の骨=腰椎はLumbarのLで表現され、L1からL5までの5個です。

病院で診てもらったことがある人は、「L4とL5のあたりが・・・」というようなことを言われたことありませんか?これは腰椎の4番目と5番目のあたりという意味になります。

骨盤には前面・後面・外側・内側から色々な筋肉がくっついています。また腹筋や背筋など多くの筋肉が上へと伸びています。360度全方向からのテンションが骨盤にかかるので、1つの筋肉が弱ったり痛めたりすると全てのバランスが崩れてしまいます。骨盤のポジションが崩れるということは骨盤に関わる全ての筋肉、筋膜、皮膚、内臓、関節などなど多くの関係性が変わるということになるので、全体的なアプローチを考えることが大事になります。

背骨は一つずつが動くのですが、1か所でも関節の可動域(動き)が悪くなると、その周辺(または上下の関節)が不足した動きをカバーすることがストレスとなり、慢性的な痛みを引き起こすことが多いです。エクササイズを行っている時も「関節の動きを改善していく」ということを意識するとエクササイズの質が向上します。

また、24個のそれぞれの背骨の間に椎間板が存在します。

この椎間板の水分量が減っていくと関節の炎症が起きやすくなると言われています。ちなみに年齢を重ねると身長が縮むと言われるのもこの椎間板が徐々に潰れていくからです。

慢性的な腰痛の共通点

骨、筋肉、内臓、皮膚など様々な組織が関わる腰。その組織がバランスを崩すと痛みにつながってきます。原因はそれぞれですが共通の症状があります。それは、「スパズム(S P A S M)」です。

スパズムとは、痛みなどに起因する局所的で持続的な筋緊張が続いている状態です。痛みを感じると脳は危険信号と判断して筋肉に防御システムが稼働します。筋肉が余分に緊張して体を痛みから守ろうとします。

痛みがなくなってからでも防御システムは稼働したままのことが多く、筋肉の緊張がさらに痛みを引き起こし、さらに筋緊張を引き起こすと固まった筋肉は引っ張られると突っ張った感じが痛みと認識し「動かさないと痛くない」「動かすと痛い」という状態が脳を混乱させて、動かない方がいいと勘違いしてしまい悪循環に陥ってしまうのです。

この悪循環から抜け出すためには自分で体を動かすことしかありません。痛みのない範囲で動かすことから始めて、徐々に動ける範囲を広げていく、そして筋力を取り戻すことが大事です。マッサージで体が楽になったら終わりではなく、自分の意思で動ける体を手に入れることが最終ゴールにしていただきたいです。

腰のマネージメント

ストレッチとエクササイズの組み合わせで何歳からでもカラダは進化します。病院に行くとよく、「歳だね」、「加齢です」と言われることがありますが、何歳からでも体を動かせば効果はあります。

お勧めのストレッチ&エクササイズ

ストレッチとは筋肉や腱を伸ばすことです。ストレッチは関節の可動域を広げ、血液の流れを良くする効果があります。ストレッチで伸ばすだけでは体の機能は戻りません。緩んだ部分をエクササイズで引き締めることも大事になります。

・ハムストリングスのストレッチ
・アダクター ロックバック
・ヒップフレクサー ストレッチ
・ブレッツェル ストレッチ
・アイアン クロス
・マーメイド ストレッチ
・ニーリング オープンブック
・サイド ヒップ アダクション
・スパイン ハイニー マーチ
・バタフライ スパイン モーション
・ペルビック ローテーション

まとめ

腰痛は原因も症状も人それぞれなので、一概にこれだけやっておけば解決するというものではありません。

痛みのない範囲で動かすことが大事になります。動ける部分は日頃から動かし続ける方が早い回復が見込まれます。長期プランで痛みを改善することから始めて、再発防止のためにエクササイズを続けていくことが大事になります。

どんなエクササイズが自分に合っているか、一度体験していただければ明るい未来が見えてくると思います。